独自の仮想通貨、三菱UFJ銀が実験へ まず行員から
三菱東京UFJ銀行は5月1日、独自の仮想通貨「MUFGコイン」の実証実験を始める。年内に国内の全行員約2万7千人が使えるようにして、来春には一般向けに発行する計画だ。ビットコインと同様の技術で、決済や送金が低コストでできる。メガバンクによる世界初の仮想通貨プロジェクトが本格化する。
新たな仕組みでは、スマートフォンにアプリをダウンロードして仮想通貨の口座をつくり、銀行口座のお金を「1円=1MUFGコイン」に交換して使う。店舗にアプリを入れたスマホやタブレットがあれば、専用端末がなくても支払える。
法定通貨をチャージする「Suica(スイカ)」のような電子マネーと異なり、仮想通貨は利用者同士がコインをやりとりできる。割り勘分をコインで払う場合などが想定される。コインは必要に応じて現金に戻せる。
実験はまず、5月に役員ら200人で始めて、7月には1千人超に広げる。年末には全行員が使えるようにする。行員同士の送金や行内のコンビニでの支払いなどに使い、来春にも一般向けに発行する方向だ。これまで今秋としてきたが、発行方法も検討するため先送りした。スマホをかざせば現金を引き出せる新型の現金自動出入機(ATM)を来春から配備することも検討する。システムの地方銀行への提供も検討する。各地銀の独自ブランドで発行する形にする。
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