定番お菓子、「大人向け」次々 ポッキー、きのこの山も

ロングセラーの定番お菓子が「大人化」しています。商品名やパッケージだけでなく、味も改良することで、大人向けをアピールしています。

真っ赤な箱でおなじみの江崎グリコの「ポッキー」シリーズ。2013年に発売した「ポッキー 大人のミルク」は、1966年に初代のポッキーを発売して以来、初めて商品名に「大人」をうたった。

商品名や黒を基調としたパッケージで「大人」の感じを出しつつ、サクッとした食感やバターの香りを強調して全く違った味わいに仕立てたという。「定番の赤い箱とは違う上品なおいしさがある」(広報)とアピールする。

同社が今月売り出したアイスのジャイアントコーンも「大人のメロン」味だ。ほかにもネスレが「キットカット」、明治が「きのこの山」などを大人向けに改良している。

いずれも、若者だけでなく幅広い層に食べてもらわないと、菓子市場の先細りは避けられないという事情がある。子どものころに親しんだ菓子を再び食べてもらおうと、パッケージだけでなく素材にこだわった商品にすることで、「大人心」をつかむ戦略だ。

矢野経済研究所の推計では、国内で流通する菓子市場の規模(出荷金額ベース)は2015年度に1兆9841億円と、10年度より1千億円以上伸びた。同研究所は「『大人消費』がここ数年の菓子市場を下支えしている」と分析する。

お土産用や少しぜいたくをしたい時などを想定した「高級版」も各社が出している。土産の詰め合わせにもできるように箱のデザインをスタイリッシュにするなど、高級感を感じさせる仕様。インターネットや特定の百貨店で売っている。(近藤郷平)

■ほろ苦ビスケ練り込み

ネスレの「キットカット ミニ オトナの甘さ」(13枚入り)は、細かく砕いたほろ苦いビスケットをチョコレート生地に練り込んだ。カカオの深い香りが特徴だという。「オトナの甘さ」シリーズには、抹茶味(12枚入り)もある。希望小売価格は500円。抹茶味は訪日外国人観光客の土産用としても人気という。

■ほんのり塩味ひきたて役

森永製菓の「チョコボールグランデ ソルティヘーゼル」は、砕いたヘーゼルナッツやコーンフレークなどを練り込んだ、大粒のチョコレート。ほんのりとした塩味によって、チョコの味が引き立つという。「チョコボールグランデ」シリーズには、バニラ味の「ソルティバニラ」もある。参考小売価格は200円。

■厳選カカオの香ばしさ

明治の「大人のきのこの山」は、厳選したカカオ豆を使って、甘さを控えめにしつつ、香ばしい味わいに仕上げたという。同社の定番商品「たけのこの里」にも、「大人の」がある。参考小売価格はともに200円。いずれの商品も、40~50歳代の客を中心に売れているという。

■2種類のメロンチョコ

江崎グリコの「ジャイアントコーン 大人のメロン」は、メロン味の生チョコが入ったアイスの上にバタークッキーとメロン味のトッピングチョコレートをのせた。6月ごろまでの期間限定で、参考店頭価格は160円。大人のアイスシリーズは2014年から冬向け商品で売り始め、好評だったため、春も売ることにしたという。

(きりとりトレンド)

ASAHI.COM

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