台湾の日本人像、修復完了 台南市長「友情さらに強く」
修復された八田与一像に献花する人=7日午前、台湾・台南市、西本秀撮影
台湾南部、台南市の烏山頭(うさんとう)ダムに設置されている、日本の植民地時代の土木技師・八田与一(1886~1942)の銅像の頭部が切り取られた事件で、銅像の修復作業が完了し、7日、現地で除幕式が行われた。
地元の博物館に、以前制作された精巧な八田像の複製があり、その頭部を利用して、残された八田像の胴体に取り付けた。再発を防ぐため、監視カメラと夜間照明が新設され、パトロールを強化している。
除幕式で台南市の頼清徳市長は「像を守れなかったのはとても残念。事件は台湾と日本の友好を破壊しようとしたが、困難を経て、友情はさらに強くなる」などと語った。式典には、八田の孫にあたる八田修一さん(59)=名古屋市=も参列した。八田の命日の8日に慰霊蔡が行われる。
事件は先月16日に発覚し、中国との統一を主張する政治団体などで活動する元台北市議の男が、自らが行ったと警察に名乗り出ている。(台南=西本秀)
ASAHI.COM