「共謀罪」週内通過を断念 4野党が法相不信任案提出
野党から不信任決議案を提出され、衆院法務委を後にする金田勝年法相=17日午前10時14分、飯塚晋一撮影
「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法の改正案をめぐり、民進、共産、自由、社民の野党4党は17日午前、法案を所管する金田勝年法相について、「資質の欠如は憲政史上例を見ない」などとして不信任決議案を国会に提出した。これを受けて、この日の衆院法務委員会は開かれず、自民、公明両党は週内の衆院通過を断念した。
自公両党の幹事長、国会対策委員長は同日朝、東京都内で会談し、不信任決議案を18日の衆院本会議で否決することを確認した。19日の衆院法務委で法案を採決する方針だが、衆院の通過は与党が目指していた18日から、23日以降にずれ込むことになった。
自公両党は24日の参院審議入りを目指しているが、「加計学園」問題で国会がさらに紛糾しかねない情勢だ。参院の審議入りの時期によっては、会期延長を迫られる可能性もある。
17日の衆院法務委では、鈴木淳司委員長(自民)が職権でこの日の審議を決めたことに民進、共産両党が反発。両党は同日中の採決はしない確約を求めたが、与党が応じず、野党4党は金田氏の不信任決議案の提出に踏み切った。
不信任案の提出理由について野党は、金田氏が今年2月に報道機関向けに国会審議や報道のあり方に注文を付けた文書を出したことなど、「真摯(しんし)に説明を果たそうという責任を放棄している」と指摘。「共謀罪」法案に関する答弁について、「一般人が対象となるかなど基本的・本質的事項についてさえ答弁できず、国務大臣としてあるまじき醜態をさらし続けていることは、到底許されない」とした。