千本松原、枯死の危機 カワウの営巣急増、銃は使えず
カワウの巣が集まる松では葉が少なくなっている=岐阜県海津市海津町油島
約260年前の「宝暦治水」の歴史を伝える岐阜県海津市の「千本松原」。国史跡でもある松林でカワウの営巣が急増し、松が枯れる心配が出てきた。松林を管理する国は対策の必要性を認めているが、銃が使いにくい場所なうえ、追い払えば営巣地の拡散を招きかねない。国も県も頭を抱えている。
千本松原の正式な名称は「油島千本松締切堤(あぶらじませんぼんまつしめきりづつみ)」。長良川と揖斐川を分ける堤防上に、約1千本の松が南北1キロ近く続く。松は江戸時代、多くの犠牲者を出して薩摩藩が実施した治水工事「宝暦治水」を記念して植えられたと伝えられる。
5月中旬、松林の下の歩道を歩くと、松林のほぼ半分で鳥の巣を確認した。頭上から「ピーピー」「ガーガー」という鳴き声が間断なく響いてきて、足元に視線を落とせば白いふんが多く落ちている。ふんの独特のにおいが鼻につく。
■数年前から増加、原因は不明
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