名人、厳しい攻めで優勢築く 将棋名人戦第5局
佐藤天彦(あまひこ)名人(29)に稲葉陽(あきら)八段(28)が挑戦する第75期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第5局は27日朝、岡山県倉敷市の料理旅館・鶴形(つるがた)で再開され、2日目に入った。ここまで2勝2敗。名人位獲得まであと1勝に迫るのはどちらか。対局は夜までに終局の見込み。
午前9時、立会人の福崎文吾九段が封じ手を開封した。名人が前日夕に封じた49手目は▲2四飛。飛車を逃がしながら後手陣突破をうかがう手で、挑戦者は自陣に歩を打って受けた。
ここで名人が本局最長の75分を費やし、51手目▲8三歩成から猛攻を開始。飛車を犠牲に、角を成り込んで馬を作った。挑戦者が先手陣に歩を連打したところで昼食休憩に入った。
解説の山崎隆之八段は「名人優勢」と判断。「挑戦者は流れを変えようと反撃含みの勝負手を放ちました」と話した。(深松真司)
〈2日目の指し手〉先手・佐藤名人 ▲2四飛(封じ手=49手目)△2二歩▲8三歩成△同飛▲6五角△8二飛▲2二飛成△同金▲4三角成△4二銀▲3四馬△4三桂▲4四角△3八歩▲同銀△3七歩
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