多様な働き方、広がるか？ イオンの転居なし新卒採用
来春に入社する新卒の学生から、イオンリテールが転居を伴わない採用枠を設けることを決めた。人手不足の中で優秀な人材を採用するには、正社員にも多様な働き方を認める必要があると判断した。
「転勤が必須のままでは、地元志向の学生に振り向いてもらえない」。片寄志津人事部長は最近の採用活動で、地方の中堅企業に優秀な学生が流れていくのを肌で感じているという。
以前は、転居を伴わない働き方ができるのは、パートから転換した人が多い有期契約の社員「コミュニティ社員」だけだった。昨年、「コミュニティ社員」を無期雇用の「Ｌ（ローカル）区分」の正社員に変更。転居せずに長く正社員として働ける仕組みを導入し、その対象を新卒まで広げる。
多くの大企業では、勤務地や労働時間、業務内容が無限定であることが正社員の条件とされてきた。片寄氏は「この正社員の三種の神器を改めていかないと、これからはいい人材を採れない」と強調する。
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