文科相「国民に納得いただけなかった」 加計文書再調査

写真・図版加計学園をめぐる内部文書の調査について、会見で質問を受ける松野博一文科相=9日午前10時11分、東京・霞が関、越田省吾撮影

安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡り、文部科学省内閣府から「総理のご意向」などと伝えられたとされる文書について、松野博一文科相は9日、省内調査をやり直すと表明した。「文書は確認できなかった」としていたが、「追加調査が必要だという国民の声が寄せられ、総合的に判断した」と述べた。

松野氏は会見で、安倍首相に調査を改めて行うことを報告して「徹底した調査を速やかに実施するよう」、指示があったと説明。当初の調査が十分だったかどうかについては「(国民に)調査の内容を納得いただけなかった。その点を踏まえたい」と述べるにとどめた。

文書をめぐり、松野文科相は5月19日、担当の同省専門教育課長ら7人に対して調査を実施したが、「該当する文書の存在は確認できなかった」と発表した。ただ、電子データについて7人が個人で省内で使うパソコンのデータや共有フォルダーの削除履歴は調べていなかった。これに対し、前川喜平・前文科事務次官は、昨年9~10月に担当課が文書を作ったと証言。現役の同省職員も一部の文書について「省内で共有されていた」と認め、国会でも野党から調査が不十分だと批判が上がっていた。

一連の文書には、内閣府側から「平成30年(2018年)4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること」「(愛媛県今治市の区域指定時より『最短距離で規制改革』を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理のご意向だと聞いている」と言われたと記載されている。(水沢健一)

ASAHI.COM

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