保守党、過半数割れ確実 メイ首相進退問う声も 英報道
英国・メイデンヘッドで9日、開票所で、自身の議席の結果を待つメイ首相=ロイター
英国総選挙(下院定数650)の投票が8日午後10時(日本時間9日午前6時)に締め切られ、開票が始まった。英BBCは9日午前5時半(同午後1時半)すぎ、メイ首相率いる保守党が第1党の座は保つものの、改選前の331議席(議長を含む)から議席を減らし、過半数(326議席)を割り込むことが確実になったと報じた。
BBCの予測によると、保守党は改選前より13議席少ない318議席、最大野党・労働党は改選前の229議席から33議席増の262議席になる見込みだ。また自民党が改選前の9議席から13議席に増やす一方、スコットランド民族党(SNP)は35議席で、改選前の54議席から19議席減らすと予測されている。
予測通りなら、どの党も単独では過半数に届かない「ハングパーラメント」(宙づり議会)になる。メイ氏の指導力低下は免れず、欧州連合(EU)との離脱交渉に影響が出ることも避けられない。
メイ首相は午前3時20分すぎ、再選を決めた後の演説で「結果がどうあれ、保守党はこの国に安定をもたらす義務を果たす」と述べた。ただBBCによると、保守党内部でメイ氏の進退を問う声が上がり始めているという。
今回の総選挙は、メイ氏が4月中旬、前倒し実施を突然表明したことで行われた。EUとの離脱交渉に向けて政権基盤を固め、自らの交渉方針への信任を得ることが狙いだった。
当初、保守党は労働党を支持率で20ポイント以上リードしていた。だが「認知症税」と猛批判を浴びた福祉公約の修正や、メイ氏のテレビ党首討論会の不参加などで支持を落とした。さらに選挙期間中に、中部マンチェスターと首都ロンドンでイスラム過激派によるテロが起き、治安対策も大きな争点に浮上。労働党のコービン党首は、保守党政権による警官の削減を「緊縮策による弊害」と批判。公共サービスの充実などを訴えて保守党を猛追していた。(ロンドン=渡辺志帆)
■英国総選挙の主な政党の獲得議席(日本時間午後1時30分現在)
定数650議席、ロイター通信報道。
カッコ内は改選前の議席数、保守党は議長を含む
保守党 306(331)
労働党 257(229)
スコットランド民族党 34(54)
自民党 12(9)
その他 21
(残り20議席)
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