「コミー・メモ」自ら流出と証言 トランプ氏側は批判

写真・図版ワシントンで8日、米上院で証言する連邦捜査局(FBI)のコミー前長官=AFP時事

「ロシア疑惑」を捜査していた最中に解任された連邦捜査局(FBI)のコミー前長官が8日、米上院公聴会に出席し、トランプ氏から直接捜査中止の圧力があったと証言した上で、その会話内容を知人を介して自らメディアに流したことを明かした。トランプ氏の弁護士は「捜査の中止を指示も示唆もしていない」と証言を否定し、コミー氏を「情報漏洩(ろうえい)者」と批判した。

コミー氏はトランプ氏との面会をその都度、詳細にメモに残していたとし、その理由を「(トランプ氏が)面会の性質についてウソをつく可能性を懸念した」と明かした。

さらに、メモを知人に託した上、メディアに渡すように依頼したと証言。「(司法省による)特別検察官の任命を促すかもしれないと考えた」とその意図まで明かした。

米メディアは5月16日に「コミー・メモ」として相次いで報道。FBIの捜査対象になっていたフリン前大統領補佐官についてトランプ氏が「やり過ごして欲しい」と要求したとする内容を伝えた。議会などから公平な捜査を求める声が噴出し、翌日の特別検察官の任命につながった。

コミー氏はメモを全て特別検察官に提出しているとも証言。圧力が司法妨害にあたるかについては明言を避け、特別検察官が判断するとした。

一方、トランプ氏の外部弁護士のマーク・カソウィッツ氏は会見で、トランプ氏は捜査の中止を求めた事実はないとコミー氏の主張を否定した。「コミー氏は、大統領との会話をメディアに暴露したことを認めた」と述べ、情報漏洩(ろうえい)事件として捜査されるべきか当局の判断を待つとの姿勢を示した。

また、トランプ氏は支持者を前にした演説で公聴会には言及しなかったが、「我々は包囲されているが、抜けだしてより大きく、強くなる。我々は勝者だ。戦って勝つ」と語った。(ワシントン=杉山正)

ASAHI.COM

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