「出会い系バー」報道が波紋 読売新聞「公共の関心事」
読売新聞が5月22日付朝刊で報じた出会い系バー通いの記事(右)と、今月3日付の社会部長名の記事
読売新聞が、前川喜平・前文部科学事務次官が「出会い系バー」に通っていたと報じた5月の記事が、波紋を呼んでいる。「不公正な報道」などと批判が出ていることに対し、同紙は今月、「公共の関心事であり、公益目的にもかなう」と説明する記事を掲載した。
3日、読売新聞社会面に東京本社の原口隆則社会部長名の記事が掲載された。5月22日付の「前川前次官 出会い系バー通い」という記事に対して「不公正な報道であるかのような批判が出ている」ことに対し「批判は全く当たらない」との見解を示した。
22日の記事は、前川氏が在職中、平日夜に東京・歌舞伎町の出会い系バーに出入りしていたことを報じた。店について「売春や援助交際の交渉の場になっている」とし、店の関係者への取材をもとに、前川氏が女性と店外に出たこともあったと伝えた。
前川氏については、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐり、5月25日付朝日新聞や同日発売の週刊文春が「行政がゆがめられた」などと証言するインタビューを掲載した。
読売新聞の記事掲載のタイミングや内容について、山井和則・民進党国会対策委員長は同日、国会内で記者団に「前川氏のスキャンダル的なものが首相官邸からリークされ、口封じを官邸がしようとしたのではないかという疑惑が出ている。背筋が凍るような思いがする」と述べた。
前川氏は25日の記者会見で、出会い系バーについて「女性の貧困を扱う報道番組を見て、話を聞いてみたくなった」と理由を説明。読売新聞の報道について、権力からの脅しかと問われると「そんな国だとは思いたくない」と語った。
一方、菅義偉官房長官は26日の会見で「教育行政の最高の責任者が、そうした店に出入りして、小遣いを渡すようなことは到底考えられない」と批判。萩生田光一官房副長官は31日の衆院農水委員会で「政府として情報を収集し、マスコミにリークしたという事実はない」と否定した。
3日付読売新聞の社会部長名の記事は「独自の取材で(略)つかみ、裏付け取材を行った」「次官在職中の職務に関わる不適切な行動についての報道は、公共の関心事であり、公益目的にもかなうもの」「本紙報道が(略)前川氏の『告発』と絡めて議論されているが、これは全く別の問題」とした。
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