「私とパンダ、どっちが大事なの」 毎日パンダの会社員
上野のパンダの様子を毎日紹介する会社員 高氏貴博さん(39)
東京・上野動物園に毎日通い、2頭のジャイアントパンダの様子をブログで報告している。
12日、赤ちゃんが誕生した。休園日だったが予感がして足を運び、「がんばれ」と入り口の前から声を送った。お祝いのページをアップすると、多くの反応が寄せられた。
6年近く休まず更新するブログは「毎日パンダ」。職場の理解を得て、出社前に通う。紹介する写真は、展示ガラスに自身が写りこまないよう上下とも黒服で臨み、望遠レンズを構えて撮っている。
さいたま市出身のウェブデザイナー。きっかけは2011年8月に園を訪ねたことだ。入園したてのシンシン(雌)とリーリー(雄)の前に人だかりができていた。過熱する人々をよそに、2頭はどっしり腰を下ろして竹を食べたり、寝ていたり。「マイペースなたたずまいが愛くるしかった」
心を癒やすため通い始めたが、しぐさや表情に魅せられ、欠かさず観察すると決めた。園職員は「パンダをよく知り愛している」と話す。一方、親族の結婚式よりパンダを優先したことも。「私とパンダ、どっちが大事なの」と詰め寄った妻も今では応援してくれる。
体が弱かったが、園通いで体力がつき、気持ちも強くなった。「パンダが僕に自信を与えてくれました」。赤ちゃんの公開が待ち遠しいが、「やめるタイミングを失いそう」。きょうもパンダに会いに行く。(池田良)
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