「共謀罪」きょう採決の構え 野党は内閣不信任案提出へ
「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案をめぐり、自民党は14日、民進党に対し、参院法務委員会での審議を打ち切って本会議で直接採決する「中間報告」を同日に行うことを提案した。与党は同日中に「共謀罪」法案を成立させる構えだ。成立阻止をめざす民進など野党4党は午後、安倍内閣に対する不信任決議案を衆院に提出する。
この日午前の参院本会議では、民進提出の山本幸三地方創生担当相に対する問責決議案を与党などの反対多数で否決。金田勝年法相に対する問責決議案も午後に否決される見通しだ。与党は内閣不信任案が提出されても、同日の衆院本会議で否決する方針で、終盤国会の攻防は最大の山場を迎えている。
自民、民進両党の参院国会対策委員長は14日午前、国会内で会談。自民の松山政司氏が共謀罪法案について、「審議時間を十分積み上げてきた。(法相)問責(決議案提出)となり、(野党側が)審議を続ける気はないと判断した」と述べ、参院法務委員会の中間報告を提案した。
中間報告は、委員会の審議を打ち切り、本会議で委員長による報告を求める手続き。本会議での採決を強行する狙いがある。
これに対し、民進の榛葉賀津也氏は「認められない」と反発。民進は内閣不信任決議案と別に、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題をめぐる文部科学省の再調査結果の公表が遅いとして、松野博一文科相の不信任決議案の提出も検討している。
自民、公明両党は14日朝、衆参両院の幹事長、国対委員長が東京都内で会談。自民の吉田博美参院幹事長が共謀罪法案と性犯罪を厳罰化する刑法改正案について、「(18日までの)会期内に成立するように最大限の努力をする」と述べ、両法案の会期内成立の方針を確認していた。
内閣不信任案が提出された場合の対応について、自民の竹下亘国対委員長は会談後、記者団に「参院にできるだけ迷惑がかからないような形で対応する」と語り、速やかに否決する考えを示した。
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