残り3分の悪夢から1年 トヨタ、ルマン初制覇に挑む
自動車の世界耐久選手権(WEC)第3戦、ルマン24時間が17日にスタートする。フランスのサルテ・サーキット(1周13・629キロ)を舞台に、3人のドライバーが昼夜を徹して1台の車を交代で運転し、24時間の走行距離を争う。昨年、残り3分まで首位にいながら車のトラブルで初優勝を逃したトヨタが雪辱を期す。レース終了は、18日(日本時間同日午後10時)。
今季、トヨタ車の性能は蓄電池の性能などが上がり、WECの第1戦、第2戦とも、ライバルのポルシェ(ドイツ)を破って連勝した。ルマン24時間の公式テストでも、元F1ドライバーの小林可夢偉(かむい)らが乗る7号車が、3分18秒132のトップタイムを計時。元F1ドライバーの中嶋一貴組の8号車が2番手、国本雄資組の9号車が3番手と上位を独占した。昨年の同じテストでは、トヨタ勢の最速タイムは3分23秒197で今年は5秒以上も速くなっており、車の進化は明らかだ。
昨年は首位を快走していた残り3分で、車に故障が発生して失速した。トヨタの豊田章男社長は「信じがたい光景」と嘆いた。1985年にルマンに初参戦して以来、過去18回出場したが、2位は5度。今年3台態勢で挑むのは、昨年の2台態勢よりも完走の確率を高め、悲願の初優勝を成し遂げるためだ。
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