牛歩戦術、福島瑞穂氏ら投票間に合わず 「共謀罪」法
参院本会議での投票時に、抗議の声を上げる社民党の福島瑞穂氏(右から3人目)=15日午前7時27分、岩下毅撮影
「共謀罪」の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法成立
15日午前7時46分、伊達忠一議長が、投票を終えた参院議員に宣言した。「(「共謀罪」)法案は可決されました」
賛成165、反対70。カメラのフラッシュがたかれる中、閣僚席の金田勝年法相が立ち上がり、緊張した表情で議員席に2度、礼をした。議場は与党議員の拍手と野党議員の怒号に包まれ、「こんなの認められない」と抗議の声が響いた。
法成立後、小川敏夫議員(民進)は「日本がますます悪い方向にいく。『共謀罪』法案の審議は何から何まで横暴だった。数のおごりだ」と憤った。
採決では、社民党や自由党など少数会派7人が牛歩戦術を展開。議長が投票時間を2分に制限し、福島瑞穂議員(社民)や森ゆうこ議員(自由)ら3人はその制限内に投票が間に合わなかったとして、「投票せず」との扱いになった。
福島氏は「希代の悪法をすんなり通してはいけないと抵抗した。参院では17時間50分しか審議していない。こんな短期間で成立させていいはずはない」と批判した。森氏は「(本会議での討論が一人10分間に限られたことについて)発言時間の制限は言論の府の死。自殺行為だ」。
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