【速報中】「『怪文書』現在の認識ではない」菅官房長官

写真・図版参院予算委の集中審議で答弁する安倍晋三首相=16日午後1時6分、越田省吾撮影

【まず質問は自民党から】

――午後1時、阿達雅志氏(自民)の質問が始まった。答弁者の席には安倍晋三首相、麻生太郎財務相、山本幸三地方創生相が座る。首相は青色のスーツに紺と白のストライプのネクタイ姿。表情は「徹夜国会」の影響か、やや疲れも見える。

阿達氏は「このところ問題となっている加計学園問題、行政の意思決定プロセスという重要な問題」と、さっそく加計学園の問題を取り上げた。

阿達氏 岩盤規制との戦いを進めてこられた総理としては、「加計問題ありき」の議論にはいろいろな思いがあると思う。総理の口から今回の問題の本質をぜひ説明してほしい。

首相 今治市は昭和58年から、加計学園による獣医学部構想の誘致を決める前から、今回無償譲渡する土地を高等教育施設用地と位置づけ、歴代市長が熱心に大学を誘致してきた。積極的な要望活動を行ってきたと承知している。こうした地元の思いが(地域の)活性化につながることを期待したい。

阿達氏 大きな背景として、今治市愛媛県の進めてきた地方振興の問題があるということは記憶しておきたい。

――午後1時15分ごろ、阿達氏は加計学園問題のやりとりの締めに入った。

阿達氏 今回、どうも加計問題について、「加計学園ありき」で国家戦略特区の議論が進んだというのがいろんなところでみられるが、いまの話を総合すると、やはり、今治市愛媛県が長い間ずっとやってきた地方創生という一つの歴史がある。それから構造特区以来のいろんな議論の歴史がある。そういう中でひとつの最後の結果として、この加計学園というものがでてきているのではないか、と思うし、確かにこの戦略特区、諮問会議において総理は議長だが、その総理が関与しないところで、どうもいろんな形で役所間、あるいは既得権とのいろんな議論がなされている、これ自体が非常に健全なことだったのではないか、というふうにも思う。

――野党席から「えー」との声が上がった。阿達氏は話題を外交・安全保障分野に移す。

阿達氏 総理が規制改革ということでしっかり議論を進めていったと私は理解した。で、この加計問題よりも、今日私は総理にメインでお聞きしたかったのは、外交・安全保障問題ですので、そちらに話を移させていただきたいと思う。

――午後1時15分から、阿達氏は北朝鮮情勢と米国との連携について首相に説明を求める。首相は加計問題では答弁書を読み上げる場面が目立っていたが、日米関係になると、顔を上げ、身ぶり手ぶりを交えて答弁。言葉にも熱が入る。

首相 今月、史上初めて日本海で、米空母2隻と日米共同訓練を行った。これも具体的な行動の一環だ。これはまさに、北朝鮮がそうした行動をとったときには、日米がしっかり肩を並べて対応することを示すことができた、助け合うことができる同盟となったことによる大きな成果だったと思う。

阿達氏 対中国政策はどう進めるのか。

首相 東シナ海南シナ海では海洋進出により緊張が高まり、安全保障環境は厳しさを増している。冷静かつ毅然と対応するとともに、近隣諸国と連携を進める。たとえば一帯一路については、インフラの開放性、透明性、経済性、対象国の財政の健全性といった国際社会共通の考え方を十分採り入れることで、環太平洋の自由で公正な経済圏に良質な形で融合し、地域と世界の平和と繁栄に貢献していくことを期待している。こうした観点から協力していきたい。AIIB(アジアインフラ投資銀行)は、公正なガバナンスを確立できるのか、借り入れ国の債務の持続可能性や、環境、社会に対する影響への配慮が確保されるかについて、運用を注視していきたい。

【民進・福山哲郎氏の質問。官房長官の「怪文書」発言めぐりやりとり】

――午後1時41分、野党の福山哲郎氏(民進党)が質問に立った。福山氏はまず、前川喜平・前文部科学事務次官の参考人招致自民党が拒否したことに抗議の意思を表明。改めて求めたものの、首相は従来の答弁を繰り返した。

福山氏 前川前事務次官の参考人招致を委員会に求めたが、またもや自民党が拒否した。本人も出席の意向があると言われ、呼ばない理由はないのに、自民党参考人招致を拒否した。強く抗議したい。総理が身の潔白を証明するために前川さんを国会に呼んで、参考人また証人喚問するということについて前向きの答えは?

首相 まさにこれは委員会の方でお決めになることなので、行政府の長として今までも指示することはなかった。これは国会でお決めいただきたい。

――午後1時53分、菅義偉官房長官が一連の文書を「怪文書」と否定してきたことに話題が及ぶ。菅氏は、発言の撤回を求める福山氏に対し、ぶぜんとした表情で答弁。ただ、最後まで「撤回」という言葉は避けた。

福山氏 官房長官を尊敬しているが、さすがに今回の言いぶりは言い過ぎだ。長官もあの文書は存在すると認めるか。

菅氏 報道された時点では、出所や入手経路が不明で信憑性もよく分からなかった。大臣、副大臣、政務官も承知していない文書だった。私個人、私の補佐官に触れている部分もあったがまったく事実と違った。私には不可解な文書であり、「怪文書のような」という話をさせてもらった。現在は、調査で複数の文書の出所が明らかになっている。文科省で確認されたと思っている。

福山氏 官房長官に弁解してほしくない。文書は存在すると認めるか。

――「言い訳はやめたら」などとヤジが飛ぶ。

菅氏 現在、文科省のなかで存在を確認されているので、出所は明らかになっていると思う。

――騒然とする場内。野党側から「撤回しろよ、撤回」という声が上がる。ヤジを背に、福山氏の追及にも勢いが増す。

福山氏 「怪文書」は撤回されるんですね。

菅氏 「怪文書のようなもの」と記者会見で発言したのは、5月17日の会見で私は申し上げた。ですから、現在の認識ではありません。

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