「反省」を口にした安倍首相、根幹の主張は変わらず
「1強」ゆえの強気の政権運営を進めてきた安倍晋三首相に、逆風が吹き始めた。各社の世論調査で支持率が下落。風当たりを意識し、首相は記者会見で「反省」の言葉を口にしたものの、根幹の主張は相変わらず。東京都議選を控える与党には、じわりと危機感が広がっている。
■にじむ「野党に落ち度」
「政策とは関係のない議論ばかりに多くの審議時間が割かれた。国民の皆さまに大変申し訳なく感じる」
安倍首相が19日、通常国会の閉会にあたって臨んだ記者会見の冒頭発言は、低姿勢の言葉が続いた。
報道各社の世論調査は前月と比べて軒並み下落。学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる政府の説明不足、「共謀罪」法について委員会審議を省略し本会議で採決する強硬な手法が影響したのは明らかだ。まずは支持率下落を謙虚に受け止める姿勢を示す必要があると考えたようだ。
しかし、その反省も野党に落ち度があるという前提に立っている。「政権奪還後、私は建設的な議論を各党各会派に呼びかけた。しかし、この国会では建設的議論という言葉からは大きくかけ離れた批判の応酬に終始した」と強調。「印象操作のような議論に対して、つい強い口調で反論してしまう」とも述べた。
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