ヌーリ・モスク爆破 IS支配の象徴、自ら破壊か
イラク北部モスルの旧市街。傾いている尖塔(せんとう)がヌーリ・モスク=12日、仙波理撮影
イラク軍は21日、過激派組織「イスラム国」(IS)の最大拠点だったイラク北部モスルの旧市街で同日、IS支配の象徴だったヌーリ・モスクがISに爆破されたと発表した。同モスクでは2014年、ISの最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者が説教。ISが自ら爆破したのは、旧市街に追い詰められ、イラク軍に占領される状況を避けるためとみられる。
IS系メディアのアマク通信は、米軍の空爆で破壊されたと速報。だが米軍主導の有志連合は、モスク周辺で空爆はしていないと発表した。ISは、12世紀に建てられた同モスクを自ら爆破したと認めると信奉者の反発を招くと恐れ、虚偽の発表をしたとみられる。
ISは14年6月にモスルを武力制圧してカリフ(預言者ムハンマドの後継者)制国家の樹立を宣言。バグダディ容疑者が同モスクで説教し、自身が「カリフだ」と主張して人々に服従を呼びかけた。ISは、その様子を映した動画を翌7月にインターネット上に投稿。同容疑者が映った唯一の映像となっている。
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