首都決戦、あす火ぶた 新顔候補の舞台裏を追う
都心の駅前で帰宅時の人々に向けて街頭演説する女性=6月上旬、東京都内、張守男撮影
127人の議員を決める東京都議選が、23日からはじまる。政治家をめざすのはどんな人たちだろう。今回は130人を超える「新顔候補」が登場する見通しだ。ある新顔の女性を通じて、選挙の舞台裏を見た。
都議選には新顔を含めて250人を超える人たちが立候補する予定だ。小池百合子・都知事が新党を立ち上げ、選挙への関心はいつも以上に高い。この女性も興味を持った一人だ。
「相談があるの」
今年2月、女性は息子の私立小学校時代からの「ママ友」だった友人に打ち明けた。都内のレストランで向き合い、「都議選に出ようと思うの」と告げた。
家族に政治家はいない。子育てを終え、今後を考えたときに、社会のために何かしたいと考えた。政治の勉強会に出るようになり、選挙に興味がわいた。
友人の祖父は地方議会の議長、父親は実業家。父親の陳情に同行したという友人は、永田町にも詳しい。「政党の公認が取れたら考えましょう」と言われた。
政党の公認候補になれば、政党の知名度で自分を売り込むことができるし、選挙実務の支援を受けることができる。
東京都選挙管理委員会によると、政党の公認予定者は18日現在で計204人。この女性も公認が決まり、立候補を決めた。
「東京都生まれ」
「大学卒業」
「働きながら子どもたちと生活してきました」
公式ホームページには、大企業に勤めながら子育てをしてきた経歴が並ぶ。女性層を意識して、政策も子育てや女性問題が中心だ。
ただ、有名人でもない自分を有権者に知ってもらうには、街頭演説やミニ集会、ポスター、チラシなどの広報活動がいる。選挙実務に詳しいスタッフがいる広告会社やイベント会社と契約し、4月に雑居ビルを借りて事務所を開いた。
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