新勢力への期待、どう表れるか 都議選告示
有権者(左)と握手する都議選候補者=23日午前11時47分、都内、西畑志朗撮影
1993年の東京都議選での日本新党の躍進は、直後の総選挙に大きな影響を与え、55年体制の崩壊と政権交代につながった。この選挙を契機に都議選は結果次第では政治の大きな流れをつくり、国政選挙の先行指標になると言われるようになった。民主党による政権交代の前哨戦となった2009年も同様だ。
今回の選挙をみると、自民1強のなかで、小池百合子・東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が出てきて風を起こしている。一見、日本新党が台頭した時と同じようにも見えるのだが、自民党の勢いが落ちていた93年や09年とは政治状況が明らかに違う。
では有権者は都民ファーストの会に何を期待するのか。自民党が強すぎる一方、二大政党制の一翼を担ってきた民進党に存在感がない。政治を大きく動かせる実感が乏しいなか、自民党への新しい対抗軸となる勢力を求める民意が都民ファーストの会を支えているのだろう。
今回の都議選は都民ファーストの会に対する期待感だけでなく、どのぐらい自民党への潜在的な批判票をあぶり出せるかという位置づけができる。
都議選の投票行動を通じて、国政でも新しい勢力をつくってほしいという欲求がどの程度表れてくるか。その意味を、野党を中心とした国政政党がどう読むのか。その成果が次の国政選挙や各党の行く末にとって重要になってくる。(聞き手・岡戸佑樹)
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