沖縄知事、平和宣言で政府批判「民意顧みず」 慰霊の日
沖縄全戦没者追悼式で「平和宣言」を読み上げる沖縄県の翁長雄志知事=23日午後0時25分、沖縄県糸満市、日吉健吾撮影
沖縄は23日、沖縄戦の犠牲者らを悼む「慰霊の日」を迎えた。戦後72年。最後の激戦地だった糸満市摩文仁(まぶに)にある平和祈念公園では、沖縄全戦没者追悼式(県と県議会主催)が開かれた。翁長雄志(おながたけし)知事は平和宣言で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を進める政府を強く批判した。
公園にある沖縄戦の戦没者や県出身戦没者らの名を刻んだ「平和の礎(いしじ)」には、今年新たに54人が追加刻銘され、刻銘数は24万1468人になった。早朝から多くの人が訪れ、親族らの名がある石板に花をたむけ、手を合わせた。
式典には、翁長知事や安倍晋三首相、衆参両院議長らが参列。午前11時50分に始まり、正午に参列者が1分間の黙禱(もくとう)を捧げた後、献花があった。
県立宮古高校3年の上原愛音(ねね)さん(17)は、県平和祈念資料館が募った作品の中から選ばれた「平和の詩」を朗読。平和の尊さを訴えた。
翁長氏は平和宣言で「戦争の不条理と残酷さを体験した県民は、平和な世の中を希求する『沖縄のこころ』を強く持ち続けている」と述べた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画については、翁長氏の就任後、平和宣言に3年連続で盛り込み、4月に埋め立て工事を始めた政府を「民意を顧みず工事を強行している」と強く批判した。
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