買収報道に「なんて日だ!」 シャープ「中の人」に聞く
山本さんは愛用のマックをいつも携帯。1日100回以上つぶやくことも=大阪市北区
紆余(うよ)曲折を経て、20日の株主総会で、東証1部への復帰申請を発表したシャープ。「中の人」の公式ツイッターも企業の広報ツールという枠を超え、ファンを広げている。
フォロワー(登録した読者)数は今月中旬、40万超を達成した。今春には大阪広告協会の「やってみなはれ佐治敬三賞」を受賞。「特筆すべきチャレンジ」と評価された。
初めから順調なわけではなかった。アカウント(登録名)の開設は2011年6月。社員として「アクオス」などの広告づくりに携わってきた山本隆博さんが「つぶやき役」に指名された。けれど、フォロワーはなかなか増えなかった。
転機は逆風のさなかに訪れた。12年8月、会社は業績不振から、大幅なリストラ計画を発表。自分にできることは何だろうと迷った末、「きょうは眠れるかな…」と書いたら、500超のリツイート。「切ない」「応援してます」などの言葉がネットにあふれた。
山本さんは「それが初めての体温を感じさせるようなツイートだったかもしれません」と振り返る。以後、一(いち)社員としての言葉を織り交ぜるようになると、1日数百人のペースでフォロワーが増えていった。「基本的にSNSは個人同士がつながるもの」と考える山本さんが心がけているのは、宣伝を前面に出すのではなく、「社を半分おりて個人になる」ことだ。
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