なにわ筋線、阪急がつなげた合意 JRと南海、長く対立
南海電気鉄道の関西空港に乗り入れる特急電車「ラピート」(同社提供)
鉄道の競争が全国一激しいとされる関西地区で、新幹線の新大阪駅と関西空港とを直接つなぐ新線をめぐり新たな合従連衡が始まっている。2031年春の開業を目指す「なにわ筋線」だ。電車を走らせたいJR西日本と南海電気鉄道が長く対立していたが、阪急電鉄の「参入」で一気に折り合った。国のゴーサインから28年。青写真どおり発車にこぎつけられるか。
JR西と南海、阪急、大阪府・大阪市の5者は、なにわ筋線の工事計画を詳細に詰める作業に入っている。先月23日、2031年春を目標とする整備計画に正式合意したのを受け、国への予算申請などを急ぐ。
なにわ筋線は、線路などのインフラは府や市、鉄道会社が出資する第三セクターが建設・保有し、JR西と南海が使用料を払って電車を走らせる。建設費約3300億円のうち国が800億円を補助し、府・市の負担(出資金と補助金)も計1千億円超になる。
鉄道会社の初期投資負担を大幅に減らすこの手法を用いてなお、JR西や南海は簡単に合意しなかった。大阪駅北側の再開発地区「うめきた」の地下に建設中の北梅田駅(仮称)の扱いが問題となったのだ。
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