「増田四段、意地見せて」 藤井四段29連勝かけ対局中

写真・図版増田康宏四段の師匠の森下卓九段

26日に始まった中学生棋士、藤井聡太四段(14)と昨年の新人王、増田康宏四段(19)の対局は、前例が少ない中盤戦に入り、先手番の藤井四段が積極的に攻勢をとっている。竜王戦の挑戦者を決める決勝トーナメントの初戦。藤井四段は、勝てば将棋界で歴代1位となる公式戦29連勝を達成する。

増田四段の師匠、森下卓九段(50)は、藤井四段がプロ入りする前からその成長に注目してきた。対局前、「増田の心の中には、今の藤井君の位置に自分がいるはずだったという思いもあるだろう。師匠としては、増田に意地を見せて欲しい」と本音を語る一方、「藤井四段は将棋界のスター。羽生さん(善治三冠)のように将棋界を引っ張っていって欲しい」と話した。

昨年3月、森下九段は増田四段と藤井四段、藤井四段の師匠の杉本昌隆七段(48)らと研究会を開いた。「その時は増田が勝ちました。私はボロ負けしましたけれど」

藤井四段は一昨年、二段から三段への昇格を逃し、プロ入りを争う「三段リーグ戦」への参加が半年遅れるという足踏みがあった。この研究会の際、森下九段が「この遅れを取り戻して欲しい」と激励したところ、「わかりました」と返事があったという。

森下九段は「藤井四段の今の活躍は期待以上で驚いている。どういう対局になるか、非常に楽しみです」と話していた。(村瀬信也)

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