民進、稲田防衛相の罷免を要求 政権は応じない方針
国対委員長会談に臨む自民党の竹下亘氏(左から2人目)と民進党の山井和則氏(右から2人目)=29日午前10時58分、国会内、岩下毅撮影
稲田朋美防衛相が東京都議選の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言した問題をめぐり、民進党の山井和則国会対策委員長は29日午前、国会内で自民党の竹下亘国対委員長と会談し、安倍晋三首相による稲田氏の罷免(ひめん)を求めた。竹下氏は「首相官邸に伝える」と答えた。安倍政権は要求に応じず、稲田氏を続投させる方針だ。
民進、共産、自由、社民の野党4党は28日、稲田氏の罷免要求を確認。これを受けて、会談が行われた。
野党4党は「自衛隊を私物化し、政治利用するかのごとき発言」と稲田氏の発言を厳しく批判。これに対し、政権は「誠実に職務に当たって頂きたい」(菅義偉官房長官)と稲田氏を続投させる方針を固めており、自民党幹部も「軽率だが、撤回して謝罪したのだからそれで終わりだ」と、安倍首相の判断を容認している。
会談で、野党4党は即時の罷免に加え、「稲田氏をかばい続けている」(山井氏)として安倍首相の任命責任を追及するための予算委員会の閉会中審査と臨時国会の早期召集も求めた。竹下氏は閉会中審査について「(7月2日の)都議選が終わるまで置いた後、総合判断しようと思う」と回答を保留。臨時国会の要求も、首相官邸に伝える考えを示すにとどめた。
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