「権力者への忖度、日本の持病か」 大阪でブックフェア
ブックフェア「忖度の研究 同調圧力が支配する国」が開かれている書店の一角=大阪市阿倍野区、荻原千明撮影
「忖度(そんたく)」。森友学園の問題を機に広く知られた一つの言葉をテーマに、大阪でブックフェアが開かれている。店員や来店者にそのイメージを聞いてみた。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店(大阪市阿倍野区)のフェア「忖度の研究 同調圧力が支配する国」では、戦争や原発、米軍基地問題、「共謀罪」、メディアの役割など様々な分野の書籍が並ぶ。
パネルの「忖度」の文字のそばには「他人の気持ちをおしはかる」(三省堂・新明解国語辞典から)とその意味の説明が。時流を意識し、「命令や指示はないのに、権力者の意向を先取りする」とも書き添えられている。
企画したのは「争いと差別のない暮らし」を目指す17の出版社でつくる「平和の棚の会」。会員社の高文研(東京)の柏森朋さん(43)は「言葉が独り歩きする中、本当の意味で忖度を考えてみたかった」と話す。フェアには「権力者への過剰な忖度は日本社会の持病ではないか」という問題意識から、今読んでほしい49冊を会員社の出版本から選んだ。チラシには「空気読むより、本読もう!」。批判力と思考力を失い、「空気」という名の同調圧力に自分を委ねていないかを問うのが狙いだ。
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