空爆で猛毒サリン使用 内戦続くシリア、投下者は不明
化学兵器禁止機関(オランダ・ハーグ、OPCW)は6月30日、内戦が続くシリアの北西部イドリブ県で4月に民間人100人以上が死亡した空爆で使われたのが、猛毒のサリンを用いた化学兵器だったとの調査結果を発表した。使用したのが、アサド政権か反体制派かは特定できていないという。
米国のトランプ政権は4月、アサド政権が化学兵器を使ったとしてアサド政権軍の空軍基地をミサイル攻撃した。英国やフランスもアサド政権側が使用した疑いが強いとみており、国際的な批判が高まっていた。
OPCWの調査団は、安全上の理由から化学兵器が使われたとされる現場に入れなかったものの、被害者の検視に立ち会ったり、検体を採取したりするなどした結果、サリンが使われたと結論づけた。調査結果は国連にも報告された。
化学兵器が使われたとされるイドリブ県は反体制派と過激派組織の支配地域。地域住民によると、4月4日の空爆後、多くの人が呼吸困難に陥り、口から泡を吹いたり、けいれんしたりしていたという。(ブリュッセル=津阪直樹)
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