仏像の顔、壊される被害 熊本最古の磨崖仏群、県警捜査

写真・図版顔の部分が壊された阿弥陀如来坐像=熊本市北区植木町円台寺

熊本県内最古の磨崖仏群とされる、熊本市北区植木町円台寺の円台寺磨崖仏群で、仏像の顔が崩れ落ちるなどの被害が見つかった。県警山鹿署は何者かが壊した可能性が高いとみて器物損壊容疑で調べている。

磨崖仏群は、平安時代の終わりから鎌倉時代の初頭に岩壁を掘って作られたとみられ、阿弥陀如来坐像(ざぞう)と阿弥陀如来立像、阿弥陀三尊像、三重塔、14カ所に描かれた仏像の絵で構成されている。絵の部分には、当時の極彩色で彩られた部分も残る。これらの貴重さが評価され1965年に県指定史跡に指定された。

市文化振興課によると、6月5日、坐像の頭部が落下し砕けていることを市職員が確認した。当初は年月の経過による劣化が原因と考えていたが、同月23日には、立像が首元から二つに折れ、三尊像の中央の阿弥陀如来の顔の部分が壊れていることを市職員と地元の自治会長が新たに確認した。

立像は固定されていた位置から引っこ抜かれて落ちたような形跡があり、三尊像は阿弥陀如来の顔に石が投げつけられた痕があったため、同月29日に自治会長が山鹿署に被害届を提出した。

坐像と三尊像は壊れた状態のまま現地に置かれているが、立像は市文化振興課の植木資料室で保管しており、現地にはこれ以上の被害がないよう、「石仏を壊すのは犯罪です!」と警告するメッセージを掲げたフェンスを設置している。(松沢拓樹)

ASAHI.COM

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