「包丁捨てろ」拳銃構えた警官、男は自殺 妻がDV被害
現場の路上を調べる大阪府警の捜査員=4日午前11時50分、大阪府東大阪市川田2丁目、遠藤隆史撮影
4日午前5時5分ごろ、大阪府東大阪市川田2丁目の市道で、近くに住む女性(53)が包丁を持った夫(54)に追いかけられているのを、110番通報で駆けつけた警察官が見つけた。府警によると、河内署の男性巡査長が拳銃を構えると、夫は自らの首や胸を刺した。夫は銃刀法違反容疑で現行犯逮捕され、搬送先の病院で死亡した。女性は夫から家庭内暴力(DV)を受け、2月から実家に戻っていた。
河内署によると、夫は栃木県栃木市皆川城内町、無職片山浩行容疑者。午前5時前に女性の実家を訪れ、「話をしよう」と玄関先に入ってきたという。女性が逃げだすと、持参していたとみられる刃渡り18センチの包丁を持ち、追いかけた疑いがある。巡査長は住宅街の路上で拳銃を構え、「包丁を捨てろ」と警告したが、数分後に自らを刺したという。
女性は栃木県警や大阪府警にDV被害を相談していた。府警は女性の携帯電話番号をシステムに登録しており、女性の110番通報を受けてすぐに駆けつけたという。同署の荒木亨(とおる)副署長は「現時点では適正な拳銃使用であると考えている」とのコメントを出した。
現場は、JR学研都市線住道(すみのどう)駅から南へ約2キロの住宅街。
近所の会社員女性(27)は、大きな音を聞いて窓から外を見ると、警察官と男がやり取りしていた。男が「こいつが悪いんや」と叫び、警察官が「わかったから(包丁を)置け」「置かないと撃つぞ」と言っていた。「キャー」という女性の悲鳴が何回か聞こえ、男が担架で運ばれるとき、女性が泣き崩れていたという。
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