ヒト型ロボットや日露戦争時の無線機、未来技術遺産に
感光層を4層にして紫色の花や微妙な服地の色合いなどの再現を向上させたカラーフィルムのフジカラーリアラ(国立科学博物館提供)
国立科学博物館は5日、科学技術の歴史上重要な成果として保存する重要科学技術史資料(未来技術遺産)に、ヒト型ロボット「HRP―2プロメテ」や日露戦争で使われた「三六式無線電信機」など15件を登録すると発表した。博物館は2008年度から登録を続け、今年度で計240件となった。
科博などによると、HRP―2プロメテは身長154センチで、二足歩行できるロボット。ペットなどエンターテインメントロボットが増えるなか、人間と一緒に働くことを目指し、2003年に産業総合技術研究所と川田工業(現カワダロボティクス)などが開発した。
日露戦争(1904~05年)の海戦で日本軍が使用した「三六式無線電信機」は日本で独自に開発された無線機。当時の世界最高の性能で、遠距離の通信を可能にした。
このほか、28年に昭和天皇即位の御大典の写真を、京都から東京に電送した「NE式携帯用写真電送装置」や、89年に感光層を4層にして色調の再現を向上させたカラーフィルム「フジカラーリアラ」、アナログ式の「ハイビジョントリニトロンカラーテレビ KW―3600HD」も選ばれた。(杉本崇)
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