眠っていた関西の鉄道計画、次々目覚め 訪日客が後押し

写真・図版阪急電鉄9300系

街と空港などとを直結させるための新線構想が、関西で相次ぎ動き出した。多くは採算性や利害対立から、鉄道会社が二の足を踏んでいた古くからの計画だ。長年の眠りから呼び覚ましたのは――。

大阪市中心部と大阪(伊丹)、関西の両空港などを結ぶ鉄道計画が、動き出しつつある。多くは古くからの計画だが、採算性や事業者間の利害対立などが壁となり、鉄道会社や自治体が二の足を踏んでいた。だが、訪日外国人観光客の増加により、壁を乗り越えられるとの期待が高まっているようだ。

阪急電鉄は、梅田と伊丹空港を直結するための新路線について、国土交通省大阪府などの関係者に説明を始めた。石井啓一国交相は1日の会見で、「まずは鉄道事業者や関係の自治体などで検討を進めて頂くことが重要だ」と話した。

阪急の構想は、宝塚線曽根駅(大阪府豊中市)から空港までの約3キロに地下路線を通し、梅田と空港を直接結ぶもの。いま伊丹空港に乗り入れる大阪モノレールは梅田周辺を通っておらず、実現すれば、移動時間の短縮につながる。

伊丹空港へはJRの伊丹駅から延伸してつなぐなど、様々な構想も過去にはあった。だが、騒音問題などを抱えて廃港も取りざたされてきたのに加え、鉄道事業者間の利害調整が難しいなどとして、なかなか前に進まなかった。

ASAHI.COM

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