弓の名手は皇居を守る女性警官 国体で2度目の優勝狙う
天皇、皇后両陛下を護衛する皇宮警察に、弓の名手がいる。9月に開会する「えひめ国体」に弓道の東京代表として出場する根本百合子巡査長(28)だ。2015年の国体で優勝するなど実力は全国トップクラス。持ち前の集中力で、2度目の優勝を狙う。
根本さんは栃木県那須町出身。両陛下の静養先である那須御用邸が近く、皇室を身近に感じて育った。
弓道選手だった父の影響で、全国大会常連の福島県立白河高校に入って弓道を始めた。東北高校弓道選抜大会に出場したが、「全国大会に出たい」と北海道教育大学でも弓道を続けた。全道学生大会で個人部門2位、全国大会にあと一歩届かなかった。自前の弓道場がある皇宮警察に進み、競技を続けることにした。
11年4月に警察学校に入校。現在は皇居の坂下護衛署で勤務する。門番として風雨の中で立ち続けたり、早朝からパトカーで皇居内を巡回したり。皇居東御苑は一般の人の往来も多く、異常がないか目を光らせる。皇宮護衛官875人(8月時点)のうち、92人は女性だ。
練習は勤務の合間に重ねた。多い時は週に5日、皇居内の道場「済寧館(さいねいかん)」の弓道場で1日平均約3時間、弓を引く。皇宮警察では、入校すると全員が弓道を学ぶ。「長時間警戒に当たる上で、常に神経を研ぎ澄まして事案を察知することが大切」と指導する百々忠利警部補(57)は話す。
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