歌って踊る仏教アイドル再結成 観客は木魚たたいて応援
寺の本堂で、仏教用語をちりばめた曲を熱唱する「てら*ぱるむす」。観客は木魚をたたき、会場を盛り上げる=京都市下京区
歌と踊りで仏教の教えを伝える女性アイドルグループが京都で人気を集めている。イベント限定で結成されたが、ステージを待ち望む声があり今夏、活動を再開した。メンバーは芸術系大学の学生や卒業生で、街で増える訪日客にも、仏教の魅力を伝えたいという。
■本堂でライブ
「突如顕現(けんげん)! 南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)。私たち、『てら*ぱるむす』です」
夏の夕暮れ、京都市下京区の龍岸寺(りゅうがんじ)の本堂に、若い女性たちの声が響いた。
メンバーは、それぞれが観音や弥勒(みろく)などの菩薩(ぼさつ)にちなんだ5人。畳の上での踊りはぎこちなさが残るが、仏教用語も歌詞に交えたアップテンポなオリジナル曲を熱唱した。中年男性や若い男女ら約40人の観客が、木魚をたたいて盛り上げた。
結成は昨年11月。仏教を身近に感じてほしいと、龍岸寺の池口龍法(りゅうほう)住職(37)ら若手僧侶が京都の大学生に「法要とアートを融合させたイベントに企画を出してほしい」と呼びかけた。
そこで京都市立芸術大2年の橋本千裕さん(20)が芸術系大学に通う学生に声をかけ、仏教の教えをテーマに歌って踊るグループを結成。グループ名は合掌する「手のひら」を意味する英語からとった。歌の作詞は池口さんとメンバーが担当、袈裟(けさ)をイメージさせる衣装はファッション専攻の学生らが作った。
勉強に専念するため一度は解散したが、復活を求める声が強く、7月、メンバーを入れ替えて再結成。今夏はほぼ毎週、京都や大阪のライブハウスで歌っていた。
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