防災食育センター、なぜ基地の街に? 自治体が頼りに
「防災食育センター」が1日、東京都福生市で稼働し始めた。耳慣れない名前の施設は、災害時の炊き出し機能を備えた学校給食センター。東日本大震災の後から各地で建設されるようになり、構想を含めて少なくとも4カ所ある。できているのは、自衛隊や在日米軍の基地や駐屯地周辺ばかりだ。
福生市のセンターは、米軍横田基地の滑走路の南方。約1万平方メートルの敷地に、鉄骨2階建て調理工場が立つ。普段は市内10小中学校の給食を作り、災害時は最低3日間、1万5千人の避難者におにぎりやみそ汁を提供できる機能も備える。
福生市は10年以上前から、小中学校の完全給食化に向け、給食センターの新設を構想していた。だが、文部科学省の補助金では市の支出が多く、予算が足りない。そこで目をつけたのが、基地周辺の騒音対策などのために支出される防衛省の補助金。2005年度からは対象が防災施設にも拡大されており、補助率は最大で4分の3と、文科省の最大2分の1より高い。
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