現場放置の車、ナンバー偽装か 神戸の射殺事件
教員らが見守る中、一斉に登校する児童たち=13日午前8時4分、神戸市長田区
神戸市長田区五番町3丁目の路上で12日、指定暴力団神戸山口組を離脱した勢力が結成した任俠(にんきょう)山口組関係者が射殺された事件で、現場に放置された容疑者側の車のナンバープレートが偽装されていたとみられることが捜査関係者への取材でわかった。兵庫県警は、容疑者らが任俠山口組の織田絆誠(よしのり)代表(50)を狙い、襲撃の準備を周到に進めていたとみて捜査している。
捜査関係者によると、容疑者側が使ったのはセダンタイプの黒色の乗用車で、「なにわ」ナンバーが付いていた。県警がこのナンバーを照会したが、所有者が判明しなかった。ナンバーが偽造されたり、古い車から付け替えられたりした可能性があるという。
この車は近くにある織田代表の自宅を出た車3台のうち、織田代表が乗っていたとみられる先頭のワゴン車に衝突。車から降りた男が拳銃を複数回発射し、織田代表のボディーガード役だった組関係者の楠本勇浩さん(44)を撃った。男らは車を置いて走って逃げたという。
■児童ら厳戒登校
現場となった神戸市長田区五番町3丁目の路上から約250メートル北にある市立室内小学校では、教員や警察官らが通学路に立ち、登校する児童を見守った。
発砲した男らは銃を持ったまま逃走しており、付き添った保護者らも不安の声をあげた。小学3年生の娘を送り届けた母親(46)は「娘が怖いと話していたので、一緒についてきた。いつ事件に巻き込まれるか分からず心配です」。任俠山口組の織田絆誠(よしのり)代表の自宅近くで毎日、通学の見守りボランティアをしている50代女性は「これまでは(自宅前に)パトカーが止まっていたので安心していた。この事件だけでは終わらないのではと思うと怖い」と話した。
事件現場が学区内にある市立丸山中学校は、部活動の早朝練習を3日間中止することを決めた。教員が地域を巡回し、見守り活動をしたという。
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