元法務局職員、4.7億円分の印紙盗んだ疑い 刑事告発
閣議後会見で東京法務局元事務官の不正行為について説明する上川陽子法相=東京・霞が関の法務省
東京法務局に勤務していた元事務官が2006年から約10年間にわたり、登記申請書に貼り付けられていた総額約4億7千万円分の収入印紙を盗んでいたことがわかった。同法務局が15日、発表した。警視庁に窃盗容疑などで刑事告発しているという。
同法務局によると、天野直樹元事務官(63)。同法務局の民事行政部や墨田出張所などで勤務していた06年1月~16年12月、計2778件の登記申請書に登録免許税として貼られていた収入印紙を、消印を押さずにはがして盗んでいた。別の申請書から押印済みの収入印紙を切り取り、差し替えていたという。
同法務局は昨年12月、内部調査で印紙の窃取が判明したとして、天野元事務官を懲戒免職処分とした。元事務官は当時の調査に、盗んだ印紙を換金したことを認め、「病気の治療費に充てるためだった」と説明。その後の調査で過去10年間、同様の行為を繰り返していたことが判明したという。
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