メキシコ地震「永遠に揺れ続くかと」 朝の訓練、現実に
メキシコ市で19日、病院から避難し、屋外でベッドに横たわる患者たち=AP
メキシコ市は32年前に大地震に襲われた日と同じ日に、再び大地震に見舞われた。メキシコでは7日に南部オアハカ州などで大きな地震が起きたばかり。繰り返される大地の揺れに、住民はおびえていた。
首都メキシコ市の目抜き通りのレフォルマ通りは、建物から逃げ出した人であふれていた。57階建てビルの42階にいたラモン・カリジョさんは「すべてが揺れた。ビルが倒れるのではないかと思った。人生の最後の瞬間だと覚悟した。永遠に揺れが続くように感じた」と振り返った。揺れが始まると住民が一斉に階段を下りようと殺到し、「大混乱だった」。
同じ通りのビル6階にいた会社員フランシスコ・レイエスさんは外に飛び出すと、通りにはガスのにおいが立ちこめていた。1万人以上の死者を出した1985年の地震も体験したが、「当時は立っていられたが、今回は立っていられなかった」と話した。
3歳から18歳の約1200人が通うメキシコ市南部ペドレガル地区の日本メキシコ学院ではこの日朝、85年9月19日のメキシコ地震の発生日に合わせた避難訓練をしたばかりだった。
訓練から約2時間後、小学3年生に算数の授業をしていた菅田真治さん(42)は、横にゆっくりと揺れた後、徐々に小刻みになって強くなる揺れを感じた。教室の子どもたち19人は不安そうに周囲を見渡し、顔をこわばらせていたという。椅子の背もたれにかけていた防災ずきんをかぶろうとしてカーディガンとからまり、慌てる女の子もいた。
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