最高裁、昨夏参院選「合憲」 「一票の格差」3.08倍
合区が初めて導入され、「一票の格差」が最大3・08倍だった昨年7月の参院選について、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は27日、「合憲」とする判断を示した。二つの弁護士グループが各地の選挙管理委員会に求めていた選挙無効の請求を退けた。
参院選の「一票の格差」は、2013年の4・77倍から、昨年7月は3・08倍に縮小した。国会が15年に公職選挙法を改正し、鳥取と島根、徳島と高知の合区を含めた「10増10減」を実施した結果だった。自民党内に、改憲で合区解消を目指す動きがあるなか、最高裁が、国会の取り組みをどう評価するかが焦点だった。
最高裁はこれまで、最大格差が5倍前後から是正されなかった10年と13年の参院選に対し、投票価値が著しく不平等な状態にあるとし、連続して「違憲状態」と判断。都道府県を単位とする区割りについて「しかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直し」を求めてきた。
原告の弁護士グループは今回の訴訟で、議員定数1人あたりの有権者数が、最も多い埼玉選挙区は最少の福井選挙区と比べて3・08倍あり、「選挙区間で投票の価値が異なるのは憲法違反」と主張。これに対し、全国の高裁・支部が出した16件の判決は、「合憲」が6件、「違憲状態」は10件で、判断がわかれていた。(岡本玄)
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