「生き恥さらして公認か、意地か」苦悩の民進候補予定者
民進党常任幹事会で話す前原誠司代表=28日午前10時41分、東京・永田町、角野貴之撮影
衆議院が28日解散し、事実上の選挙戦がスタートした。安倍政権の政策が有権者の審判を受ける。一方で小池百合子・東京都知事が代表を務める新党「希望の党」と民進党との合流に向けた動きが加速し、前議員らは慌ただしく駆け回る。国会周辺では解散に抗議するデモもあった。
「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する」。正午から開かれた衆院本会議で、大島理森・前衆院議長が解散詔書を読み上げた。
前議員らは万歳三唱し、拍手がわき起こった。安倍晋三首相は笑みを浮かべ、周囲と握手。肩をたたき合って議場を後にする人もいたが、野党側の議席には空席が目立った。
東京・永田町の民進党本部。午前9時からの執行役員会に合わせ、枝野幸男代表代行や長妻昭選挙対策委員長らが姿を見せたが、終始無言のまま入室した。午前11時半ごろ、報道陣の前に姿を見せた原口一博副代表は「自分たちの政策や理念はどうなるのか。そこを確認している」としつつ、「私自身は古いしがらみに足を取られないで、大胆に動きたい」と話した。
前原誠司代表が主導する希望の党との合流構想に、50代の男性職員は「どうなるのか不安だらけです」と言葉少な。別の男性職員は「野党で候補者の一本化は必要」としながら、「希望の党には安保法制に賛成した議員もいる。政策的に一致するとは思えない。前原代表はどうするつもりなんだろう」と話す。
都内の小選挙区から立候補予定の民進新顔はこの日朝、「正直、民進から公認をもらって出たいが、今のままでは無防備のまま戦場に出て行くようなもの。生き恥をさらして『希望の党』の公認をもらうか、意地を張るのか。こんな状況になるとはまったく予想していなかった」と話した。
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