フィリピン人と偽装結婚、同居して… 元夫役が語る実態
偽装結婚の夫役となった男は、フィリピンでの結婚式の写真を手に「アホなことをやった」と悔いた=9月下旬、大阪府泉佐野市、楢崎貴司撮影、結婚式の写真にモザイクをかけています
フィリピンパブを舞台にした偽装結婚事件。縁組を手引きしたとして、大阪府警がパブ経営森下五十司(いとし)容疑者(59)を逮捕・送検していた。偽装結婚の夫役だったとして逮捕、起訴されて執行猶予付きの有罪判決を受けた大阪府泉佐野市の60代の男が、朝日新聞の取材に応じた。もうけ話に乗り、言葉もよくわからないまま初めて会った「妻」と結婚式を挙げ、偽りの夫婦生活を演じていたという。
「結婚しているのか?」
きっかけは3年ほど前、20年以上連絡を取っていなかった知人からの電話だった。独身だと伝えると、「フィリピン人の女と結婚すれば、3年間は毎月5万円もらえる話がある」と持ちかけられた。
「おいしいもうけ話だ」と思い、遊ぶ金欲しさに承諾した。森下容疑者の部下を紹介された。
捜査関係者によると、森下容疑者は、この男のようにもうけ話として持ちかけていたほか、借金を背負わせたフィリピンパブの客や店員らに偽装結婚の縁組をしていたとされる。
この男は、数週間後に旅費を払ってもらってフィリピン・マニラに飛んだ。そこで初めて、「妻」となる20代の女と会った。
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