「今まで何人の政治家が寄ってきたと思う?」小池一夫氏
ツイッターで数々の名言が人気の漫画原作者・小池一夫さん(81)。フォロワーは70万人にもなる巨大アカウントですが、「インフルエンサー」として、政治とどう距離をとっているのか。政治については、どう考えているのか、聞いてみました。
――ツイッターで「名言」が人気ですね。
2010年からやっていますが、気がついたらこんな数になっていましたね。ツイッターは、まあ人生の「景気づけ」ですよ。自分の生き方や考え方を書いて、お互いに励まし合っている。
――政治や選挙について投稿することはありますか?
政治には触れないようにしています。だれかの宣伝もしない。もし私に少しでも影響力があるのなら、使いたくない。ただ、70万人のフォロワーがいるということは、70万人の票を持っていることと思われてしまう。いままで、何人の政治家が寄ってきたと思います?
小池一夫 漫画原作者。「子連れ狼(オオカミ)」などの作品を手がける一方、漫画家の高橋留美子、原哲夫、ゲームデザイナーの堀井雄二ら多くのクリエーターを育てた。現在も「キャラクターマン講座」を開講し、後進を育成している。
――寄ってくるんですね……。
パーティーに来てくださいとか、いろんな形でね。すべて、お断りしています。政治家は、SNSをまだうまく使いこなせていませんね。
――今回の選挙では、どういうところに注目していますか?
権力者の争いというのは、昔からあるものです。平安の世も、室町も、関ケ原も。権謀術数は、日本の歴史の中にあふれていて、そう考えると、勝つためにどの党とどの党が組もうかとか、政治家があれこれ動くのは日常茶飯事と言えます。
ただ、選挙だけは、党利党略であってはならない。政治家は、上から目線で語るのでなく、国民に対して「私に任せていただいてよろしいでしょうか?」と向かい合って話すのが選挙であるべきです。
――国民はどうあるべきでしょう。
私の1票も、あなたの1票も、首相の1票も、等価値です。日本という国の一部が投票用紙にのっています。ただの紙切れではありません。自分の1票に「平和」が載っている、その逆の「死」「戦争」も載っていると考えてほしい。
小池さんは「政治家は、もう少し目線を下げてほしい」「そうでないなら18歳に選挙権を与えた意味がない」と言います。「超ウケる」が「ヤバい」に変わるなど、刻々と言葉づかいが変わる若い世代に政治家はどう向き合えばいいのか、小池さんならではのアイデアを語ります。
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