「十三トリス」愛される理由 火災で全焼、再建から1年

大阪の歓楽街、十三(じゅうそう)で愛されてきた老舗バー「十三トリス」。創業は1956年。3年前に商店街の火災で全焼したが、ファンの声におされて再建し、10月で1年がたった。60年余り、庶民の喜びや悲しみ、怒りを、ウイスキーと一緒にのみ込んできた。昭和から平成、そして、新しい時代へ。人々はなぜ、この店にひかれるのだろうか。

■コーヒー1杯と同じ値段

店は、阪急十三駅の改札口から歩いて約1分。阪急神戸線下りホームに並行する飲食店街(通称・ションベン横丁)にある。店に入るとウナギの寝床のように細長く、奥行き10・8メートル、幅2・4メートル。全焼後の再建で狭くなり、10席あるカウンター席を通り抜けるときには、座っている客と声を掛け合うのが、新しい店での約束事となった。

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