筧被告「私も人の子、生きたい」 記者に語った11時間

写真・図版京都拘置所にいる筧千佐子被告から届いたはがき。「明日の夢もなく……」とつづった

7日、死刑判決を受けた筧(かけひ)千佐子被告(70)は8月以降、京都拘置所で34回にわたって朝日新聞記者との面会に応じてきた。「一日も早く死刑にしてほしい」と法廷で繰り返してきた被告。計11時間以上の記者との対話では、時に涙を流して自らの人生を悔いつつ、生への執着を隠さないこともあった。

死刑が求刑された10月10日は、普段法廷で着ることが多い黒ではなく、黄緑のシャツで法廷に出た。その後の面会では「気が回らなくてね、着替え忘れたんよ」と力なく笑った。声がうわずっていた。

面会室に入る際、被告は必ず小窓をのぞき、中に誰がいるかを確認してから入室する。知らない人とは基本的に面会しないと言った。ドアを開けるといつも笑みを浮かべ、冗談ぽく「毎度」と言って席に着く。おしゃべり好きな自分にとって面会時間は良い気分転換になるとも話した。

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