被爆者の訴え、バチカンから届ける 核軍縮シンポ開幕
バチカンで10日に開かれた核軍縮シンポジウムに参加した和田征子さん(中央)=10日、河原田慎一撮影
ローマ・カトリック教会総本山のバチカンで10日、核兵器のない世界と核軍縮をテーマにしたシンポジウムが2日間の日程で開幕した。ローマ法王庁の主催で、日本からは長崎で被爆した和田征子さん(74)らが招待された。和田さんは11日に演説し、「核兵器廃絶は核兵器をつくった人類の責任」と訴える予定だ。
和田さんは横浜市在住で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の事務局次長を務める。1歳の時に長崎市の自宅で被爆し、母から聞いた話を国内外で証言してきた。
フランシスコ法王は10日、和田さんらシンポジウムの出席者と面会し、「核兵器は人類の平和と共存し得ない。被爆者の証言は不可欠で、その警告が次世代に届きますように」と語りかけた。和田さんは赤と金の2色の折り紙で折った鶴を法王に手渡した。
和田さんは11日の演説で、国連で7月に採択された核兵器禁止条約についても取りあげ、日本政府に署名・批准するよう訴える予定。和田さんは「被爆者の苦しみは今も続く。核兵器が使われれば、この苦しみは地球全体に広がると訴えたい」と話した。(バチカン=河原田慎一)
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