葛飾北斎、フィーバー到来 展覧会、ハルカスに大行列
江戸後期の浮世絵師・葛飾北斎(1760~1849)。展覧会では連日大行列ができ、海外での人気も高い。時代を超えて、多くの人をひきつけている。
あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で19日まで開かれている「北斎―富士を超えて―」展(朝日新聞社など主催)は、来場者が21万人を超えた。
平日も入場に1時間以上待つことも。友人と訪れた奈良市の女性(70)は「美しさに心が洗われた。かなり混んでいたけれど、待った値打ちはあった」と目を輝かせた。観覧券は、公式サイト(hokusai2017.com)やプレイガイドで事前に買うと待ち時間が短縮でき、金曜までの午後6時以降も比較的待ち時間は短いという。
5~8月にロンドンの大英博物館であった同様の展示でも満員が続き、約15万人が来場した。大英博日本セクション長のティモシー・クラークさんは「北斎は100年以上前からずっと有名だったが、デジタルの時代になり、彼の絵のイメージがさらに広まっている」と話す。1999年に米ライフ誌が特集した「世界で最も重要な功績を残した100人」には、日本人で唯一、86位でランクインした。
大英博の展示に関わった国文学研究資料館長のロバート・キャンベルさんは「北斎は人物や動物、植物など、さまざまなものの表情を突き詰めて捉えた。それは今を生きる人たちにも、段差のないものとして伝わってくる」と指摘する。
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