メス同士で卵あたためるペンギン 不在の父、浮気心で…
ウタとキク。「えのすい」こと新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)にいるフンボルトペンギンだ。年齢も同じ18歳。いま交代でウタの産んだ卵を育てている。一方が巣の中で温める間、もう一方は巣の前で、ほかのペンギンが近寄らないようガードしている。
フンボルトペンギンは2歳ごろから異性のつがいをつくり、メスが産んだ卵をオスとメスで約40日間温め、孵化(ふか)したひなを育てる。ウタとキクの場合がいささか違うのは、キクがメスということ。メスのペアで卵を温めている。
ウタにも、つがいのオスがいたが、7年半前、ひなを育てている時に死んだ。
ウタは11月上旬、2個の卵を産んだ。父親の名はトップ。トップにはつがいの相手のグーがいるが、「浮気心を起こし、ウタにちょっかいを出したんですね」(奥山康治展示飼育部長)。10月下旬にグーが産卵、続いてウタが産んだ。しかしトップはグーの卵の世話にかかりきり。ウタの助けに入ったのが、以前から仲良しのキクだった。
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