窓にかぎ・1階で寝る…インフル異常行動、国が対策通知

インフルエンザにかかった患者の異常行動が絶えないとして、厚生労働省は27日、未成年の患者が自宅で療養する場合、治療開始から2日間はマンションなどの玄関や窓にかぎをかけ、ベランダに面していない部屋で寝かせるなど、患者が外に出ないための対策をとるよう都道府県などに通知した。

急に走り出す、飛び降りるなどの異常行動を受けて同省は2007年以降、インフルを発症した未成年者は2日間1人にしないよう注意を促してきた。今回はこれに加えて初めて具体的な対策を示した。09年4月~17年8月にインフルエンザ治療薬使用後に異常行動と関連すると考えられる転落などによる死亡例は計8件。昨季はリレンザとイナビルを使った10代の2人がマンションから飛び降りるなどして亡くなった。いずれも薬との因果関係はわかっていない。治療薬の有無や種類に関係なく異常行動がみられ、死亡例の報告も続くため、具体的な注意喚起が必要と今回の通知に踏み切った。

通知は、玄関ドアや部屋の窓にかぎをかける▽ベランダに面していない部屋に寝かせる▽戸建て住宅の場合、1階に寝かせる▽窓に格子のある部屋で休ませる――などを求めている。

国の研究班の06年以降の集計では、インフル患者の飛び降りなどの異常行動は毎季40~270件程度。うち10~数十%はインフルエンザ治療薬を使っていなかった。研究代表者の岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「異常行動は薬の使用の有無に関係なく起き、発熱から1~2日に出ることが多い。熱が出始めて2日間は特に注意してほしい」と話す。

治療薬をめぐっては、タミフルをのんだ患者の転落事故が相次ぎ、厚労省は07年以降、10代には使わないよう求めている。10代の患者への昨季の処方数は、いずれも推計でイナビル138万人、リレンザ72万人、タミフル10万人、ラピアクタ3万人。(福地慶太郎)

ASAHI.COM

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