ステーキじゃない かの地に広まる「いきなり」文化とは

写真・図版今年初めて開かれた「MISAWA BBQ ジャンボリー」。「三沢らしい」新たな集客イベントとして注目される=10月15日、三沢市谷地頭

 「きょう焼く?」「どこ? 何時?」。青森・三沢で暮らしていると、時折こんな会話に出くわす。「焼く」とは「バーベキュー(BBQ)をする」ということ。通常なら食材から燃料、場所の確保までそれなりの準備が必要なはずだが、三沢ではいきなり始まる。「いつでも・どこでも・だれとでも」が最大の特徴だ。

春の花見からお盆の親戚の集まり、運動会など学校行事の打ち上げ、職場の歓送迎会……。三沢では一年中、とにかくBBQの機会が多い。「仕事納めはBBQが恒例」という会社もあり、職場で、自宅で、公園で、アメリカンバーの前でと、どこでも焼いている。

今年8月、三沢市内で開かれた寺山修司の「市街劇」に参加したアートディレクター・増田セバスチャンさんは「前夜にアメリカンバーに行ったら、『じゃあ、明日、焼こう』という話になった。どうせ酔った場での冗談だろうと思ってたら、ホントにコンロが道路を渡ってきて、焼き出した」と振り返る。

BBQが盛んになった理由は米軍基地の存在が大きい。アメリカ人が持ち込んだ「何かあればBBQ、何もなくてもBBQ」という文化が、70年を経てしっかり根付いたといえる。

ASAHI.COM

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