「君たちはどう生きるか」なぜ売れる? 80年後の注目
日中戦争が始まった1937年に出版された本「君たちはどう生きるか」のマンガ版が大ヒットしている。刊行から3カ月あまりで100万部に迫る勢いだ。80年の時を超え、なぜ売れるのか。
大阪府泉大津市の会社員陽(みなみ)泰志さん(30)はツイッターで話題になっていたのを知り、近くのコンビニで買った。
旧制中学に通う「コペル君」というあだ名の15歳の少年が主人公。学校でのいじめや同級生の貧困にどう対応すべきか。「叔父さん」との対話を通じてコペル君が考え、成長していく物語だ。
小学生と幼稚園児の子どもがいる陽さんは、子どもたちの力になれているだろうか、と悩む自分の姿を重ね合わせながら一気に読んだ。「つらい体験からこそ学べることがあるのだと、子どもたちに教えてあげたくなった。彼女たちが将来迷ったときにもこの本を差し出してあげたい」
マンガ版は8月にマガジンハウスから刊行され、95万部を突破。同時に出た原作の新装版も24万部となった。アニメ監督の宮崎駿さんが10月、同名のタイトルで次回作を手がけると明らかにしたことも影響したとみられる。
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