安倍首相の「技」、野党は学んで 官邸の「中道派」戦略

記者有論 政治部・園田耕司

「右派3割、中道派5割、左派2割」。安倍晋三首相が率いる首相官邸の中枢は、現在の日本人の政治的傾向について、歴史や伝統を重視する「右派」、バランス重視の「中道派」、リベラル系の「左派」の3分類の割合で分析している。

この数字をもとに、安倍首相の政治目標は常に中道派の半数近くを固めることに置かれている。

右派へのアピールを欠かさずに3割を自らの基礎票とし、有権者の関心が高い社会保障経済政策を打ち出して中道派右寄り層を引き寄せ、過半数を得る――。「真正保守」を自負した次世代の党などは事実上、自民党に吸収されて消滅。民主党政権時代は中道派を引き寄せていたとみられる民進党も、野党第1党の存在意義を示せぬまま分裂した。

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